アナザーストーリー 美琴編 第六話

戦闘に勝利した一行は


タタリ
「して…きり…」
美琴
「…」
タタリ
「のに…きり…」
リカルド
「まさかとは思うが…」
タタリ
「ってる…やに…きて…」
ガーネット
「なに?」
タタリ
「んや…やま…てる…」
夕陽
「あ、待って」
タタリ
「てる…から…」
衣冬
「消えた…山?何処かしら」

「何にしても帰って報告じゃな」

「うん、気になるし」
メメ
「戻りましょう」
羽民
「じゃな」
空錐
「あいつ…矢張り…」
メリュネ
「…」




「お帰り、どうだった」
美琴
「逃げられた、それとこの神都市で山はあるか」

「山?大きい山ではないけど、あるとしたら都市の北にある山かしら」
リカルド
「其処か、すまんな」

「でもなんで山なの?」
ガーネット
「斯く斯く然々でな」

「そう、なら確り準備してから行くのよ」
夕陽
「はい」

「但し同情しては駄目よ、良いわね」
衣冬
「分かってる」

「取り敢えず夜までに休めておきなさい、良いわね」

「うむ」

「分かってる」
メメ
「はい」
羽民
「じゃな」
メリュネ
「それじゃ失礼するわね」



美琴
「…」
メリュネ
「何を考えているの」
美琴
「いや、あのタタリは恐らく…」
メリュネ
「そうね、でもそれでもやるのよ」
美琴
「分かっている、本人もどう思っているのか」
メリュネ
「そうね、辛いかどうかは別だけど」
美琴
「…」
メリュネ
「貴女は優しい人よね」
美琴
「自分でもそれは理解している」
メリュネ
「でもね、優しさと甘さは違うのよ、忘れないで」
美琴
「そうだな」
メリュネ
「でもその優しさは大切、そういう事よ」
美琴
「肝に銘じておく」
メリュネ
「…」
美琴
「あのタタリは…」

その頃

リカルド
「ふぅ」

「リカルドは大人」
リカルド
「何だ突然」

「傭兵やってるとそういう余裕も生まれるのかしら」
リカルド
「余裕などないぞ、戦場では余裕こいてる奴は大抵真っ先に死ぬ」

「そうなの?」
リカルド
「そんなものだ、戦場では臆病者だけが生き残れるんだ」

「それが経験って事ね」
リカルド
「そうだ、勇敢な奴は傭兵だろうと軍人だろうと率先して死んで行く」

「…」
リカルド
「勇気と無謀は違うんだ、それを理解してないから死んでしまう」

「勇気と無謀は違う、ね」
リカルド
「俺からしたら臆病でいいと思う、戦いにおいて最後まで立っているのは臆病者なんだ」

「そういえばリカルドの顔の傷は戦いの傷?」
リカルド
「此れは、まあ」

「不名誉な傷なのかしら」
リカルド
「…女に振られて酒に酔って便器に顔面から突っ込んだ」

「…うわぁ」
リカルド
「蔑みたければ勝手にしろ」

「リカルドも男ねぇ」
リカルド
「言うな、はぁ」

その頃

ガーネット
「…」
紫苑
「ガーネットはドラゴンなんだよね」
ガーネット
「それは言ったじゃろ」
茉莉花
「でもそうも見えないよねぇ」
ガーネット
「なら火でも吹いてやろうか」
紫苑
「本当に吹けるの?」
ガーネット
「それぐらいは出来るぞ」
茉莉花
「マジか、見せてよ」
ガーネット
「ほれ」
紫苑
「本当に炎を吹いてる」
ガーネット
「どうじゃ」
茉莉花
「すげー、マジでドラゴンだよ」
ガーネット
「分かったか」
紫苑
「でも疑問なんだけど、どうやって火を吹いてるの?そういう器官があるの?」
ガーネット
「知らん、まあ体の構造上の話じゃろ」
茉莉花
「知らんのかい」
ガーネット
「知らんな」
紫苑
「あはは」
ガーネット
「まあそんなもんじゃ」
茉莉花
「適当すぎる」
ガーネット
「やれやれ」

その頃

夕陽
「あの、空錐さん」
空錐
「分かっておる、あのタタリは…」
夕陽
「…」
空錐
「あんな姿になってまで我輩を…」
夕陽
「空錐さん…」
空錐
「決着は付けねばならんな」
夕陽
「…」
空錐
「恨まれているとは思わん、最初で最後の好いた奴じゃ」
夕陽
「今でも好きなんですか」
空錐
「当たり前じゃ、あいつは我輩が何者か知ってて恋をしたんじゃ」
夕陽
「…」
空錐
「だから今度は我輩があいつを救う、それだけじゃ」
夕陽
「ならお手伝いします、それも責任ですから」
空錐
「言ってくれるな、若造が」
夕陽
「はい、うふふっ」

その頃

衣冬
「…」

「にしてもまさかじゃな」
衣冬
「そうね、空錐は…」
メメ
「それでもやるしかないんですよね」
衣冬
「そうなるかしら」
羽民
「覚悟などとっくに出来ている、か」
衣冬
「それだけの相手という事でもあるわよね」

「狐に恋をした男、か」
衣冬
「そういう恋物語は美談になりやすい一方で本人達の苦難は計り知れないのよね」
メメ
「そうですね、美談ってその裏には凄い辛い事が…」
衣冬
「だから美談とはその背景も含めてなのよ、苦難や困難を乗り越えた先のね」
羽民
「じゃな、その道程は死にたくなるような地獄じゃ」
衣冬
「そうね、今回の件は…嫌なものだわ」



美琴
「では夜を待つか」
リカルド
「だな、体力は付けておけ」
ガーネット
「うむ」
夕陽
「今夜、ですね」
衣冬
「覚悟は決めるわよ」
メリュネ
「そうね、それじゃ今夜よ」


第七話に続く

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