アナザーストーリー 美琴編 第九話

本日は一日休息です


美琴
「ふぅ」
メリュネ
「あら、お暇かしら」
美琴
「ん?ああ」
メリュネ
「何か考え事?」
美琴
「いや、この世界も何かとあるのだなと」
メリュネ
「この世界?」
美琴
「私は召喚実験でこの世界に召喚されたんだ、要するに異世界人だな」
メリュネ
「そうだったのね」
美琴
「そういえばメリュネは西洋の妖怪と言っていたが」
メリュネ
「メリュジーヌってご存知かしら」
美琴
「メリュジーヌ?」
メリュネ
「蛇女みたいなものね、メデューサとは違うわよ」
美琴
「はぁ」
メリュネ
「要するに美しい蛇女って事よ」
美琴
「成る程」
メリュネ
「でもこの世界だと蛇っていうイメージは意外と浸透してないのよね」
美琴
「はぁ」
メリュネ
「まあ蛇女っていうのはね」
美琴
「蛇女か、似たようなのでスキュラとかもあるが」
メリュネ
「スキュラとは根本から違うわよ」
美琴
「あれは犬と蛸だったか」
メリュネ
「そうよ」
美琴
「何にしても西洋の妖怪にも何かとあるんだな」
メリュネ
「そうね、妖怪っていうのは仁本の呼び方だけど」
美琴
「向こうだと悪魔とかそういう風に呼ぶのが基本なのか?」
メリュネ
「そんな所ね」
美琴
「文化の違いはあるんだな」
メリュネ
「そうね、まあ基本的には似たようなものよ」
美琴
「成る程」
メリュネ
「でも人じゃなくても人に馴染めるって事よね」
美琴
「かもな、この世界は意外と寛容なのかもしれん」
メリュネ
「差別とかはあるにはあるけどね」
美琴
「そうだな、まあそれでも妖怪は架空の存在と思われてたりするしな」
メリュネ
「そういう意味では溶け込みやすいのかしらね」
美琴
「かもしれん」
メリュネ
「エルフとかはメジャーな種族だものね」
美琴
「妖怪なんて知識のある奴にしか伝わらんからな」
メリュネ
「それは偏見なんじゃない」
美琴
「メジャーなものは伝わるがマイナーな妖怪なんて本当に伝わらんぞ」
メリュネ
「まあそれは分かるわ」
美琴
「結局は架空のものでも知名度には勝てん、神話の登場人物もそうだろう」
メリュネ
「まあ、ね」
美琴
「この世界だと創作のせいで事実誤認してるケースも多々あるからな」
メリュネ
「まあそれは、ね」
美琴
「バハムートはベヒモスと同一という事なんだがな」
メリュネ
「貴女意外と詳しいわね」
美琴
「まあそういうのは嫌いではないからな」
メリュネ
「ふーん」
美琴
「まあ何かとあるんだ」
メリュネ
「意外と大変なのね」
美琴
「まあ、な」
メリュネ
「うふふっ」
美琴
「はぁ」
メリュネ
「美琴も何かとあるのね」

その頃

リカルド
「ふぅ」

「リカルドは騒いだりするのは苦手なの?」
リカルド
「苦手ではないが余り好かんな」

「まあそんな風にも見えるわよね」
リカルド
「とはいえガキのお守りは仕事だ」

「子供じゃない」
リカルド
「俺からしたらガキさ、そもそも大人の定義なんて曖昧なものだ」

「大人の定義ね」
リカルド
「ガキに限って大人になりたいと騒ぐ、大人だという奴に限って精神はガキのままだ」

「…」
リカルド
「本物の大人はもっと常識があるしガキはもっと馬鹿でいいんだ」

「リカルドらしいわね」
リカルド
「ガキってのは遊ぶのが仕事だ、勉強漬けにしてもロクな大人にはならん」

「ふーん」
リカルド
「走って転んで怪我をするぐらいでいいんだ、ガキってもんは」

「まあ近年は外で遊ぶのも大変よね」
リカルド
「世の中は窮屈になったものだな、クレームなんてものは自己満足に過ぎん」

「…」
リカルド
「承認欲求を満たしたい奴が増えたとは感じるがな、それがどうなるかなど分かっているのに」

「困った世の中ねぇ」
リカルド
「世の中は変わったな、まあ俺からしたらガキがガキらしくなくなった事が嘆かわしい」

「リカルドは大人だね」
リカルド
「まあそれでも若い方だ、おっさんとは言われるがな」

「あははっ、良いねそれ」
リカルド
「結局世の中なんてのは声と主語のデカい奴が強い、主張しなければ飲まれてしまう」

「主張する…」
リカルド
「忘れるなよ、事勿れ主義では何も解決しないとな」

「ふーん」
リカルド
「ふぅ」

その頃

ガーネット
「…」
紫苑
「ガーネットはドラゴンなんだけど、普段は何してるの」
ガーネット
「そうじゃな、甘いものを食ったりしておる」
茉莉花
「ふーん」
ガーネット
「まあ好きなもん食って生きられるのなら幸せじゃろ」
紫苑
「あははっ、らしいね」
ガーネット
「幸せというのは人の価値観でしかない、何が幸せなどお主達でも違うじゃろ」
茉莉花
「まあ確かにあたしと紫苑の幸せは違うよね」
ガーネット
「それが幸せというものじゃ、万人が同じ幸せなどあり得んのじゃ」
紫苑
「ガーネットらしいなぁ」
ガーネット
「ま、妾からしたら幸せとは感じるものじゃよ」
茉莉花
「幸せは感じるもの、ね」
ガーネット
「とはいえお主達も幸せを感じる事はあるじゃろ」
紫苑
「うん」
ガーネット
「それで良いんじゃよ、幸せなんてものはな」
茉莉花
「成る程」
ガーネット
「幸せ、それは自分がそう感じた時が幸せなんじゃよ」
紫苑
「哲学だ」
ガーネット
「かっかっか」
茉莉花
「調子が良いねぇ」
ガーネット
「妾の幸せ、か」

その頃

夕陽
「…」
空錐
「なんじゃ、気にかけてくれるのか」
夕陽
「いえ、でも空錐さんは孤独を知っているんですよね」
空錐
「まあな、3000年も生きていれば当然じゃ」
夕陽
「やっぱり辛いものなんですか」
空錐
「辛くないと言えば嘘になるな、まあ長生きしてるのなら処世術ぐらいは身に付けとる」
夕陽
「成る程」
空錐
「親しい奴も入れ替わるように出来ておったからな」
夕陽
「へぇ~」
空錐
「親しい奴を作れないと本当に孤独に押し潰されてしまう、そんなもんじゃ」
夕陽
「…」
空錐
「長生きというのは孤独との戦いじゃ、年数に関係なくな」
夕陽
「孤独との戦い、ですか」
空錐
「長くても100年しか生きられない人間だって孤独はある、そうじゃろ」
夕陽
「そうですね」
空錐
「そういう意味でも孤独とは繋がりによって救われるんじゃよ」
夕陽
「繋がり、成る程」
空錐
「ま、本当の意味での孤独はもっと恐ろしい、忘れるな」
夕陽
「はい」

その頃

衣冬
「ふぅ」

「衣冬は苦労してそうじゃな」
衣冬
「まあね」
メメ
「衣冬は何か老けてるよね」
衣冬
「喧しい」
羽民
「ま、長生きしてれば自然とそうなるものじゃ」
衣冬
「見た目は若いままなのに精神だけおっさん臭くなるとか」

「大変じゃな」
衣冬
「全くよ」
メメ
「あはは」
衣冬
「はぁ」
羽民
「儂もそれは分かる」
衣冬
「長生きしてると何かとね」

「厄介な性分じゃな」
衣冬
「本当よ」
メメ
「苦労してるんだね」
衣冬
「全くよ」
羽民
「かっかっか」
衣冬
「はぁ」


最終話に続く

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