fc2ブログ

アナザーストーリー 寧々編 第九話

本日は1日休息です


寧々
「ふぅ」
灰梅
「終わってみれば何事もなかったみたいな感じですね」
寧々
「でも襲われた人は傷が残るんでしょうね」
月季
「それもあの人が存在した証なのでありますよ」
寧々
「そういえば自律人形って動力はなんなんですか?」
灰梅
「基本的には油ですね、食事なんかも摂れなくはないですけど」
寧々
「なるほど」
月季
「それに現代は平和なものでありますよ」
寧々
「月季さんは戦闘人形ですから、過去には戦いも経験してるんですよね」
灰梅
「機械に心なんてないと言われますけど、私達は用途も違いますからね」
寧々
「灰梅さんは家庭用とかそういうやつですか」
月季
「戦いはいつの世もなくならないものでありますよ」
寧々
「そうですね、平和な国もありますが内乱や紛争をしている国もありますし」
灰梅
「平和は確かに大切ですが、その平和もタダでは手に入らないんですよね」
寧々
「平和を願うから戦火が広がっていく、そんな話もありますからね」
月季
「戦いというのは終わるだけ幸せなのでありますよ」
寧々
「平和は戦うから手に入る、戦うから守れる、そういうものなんですよね」
灰梅
「結局はどんなに平和を願っても非武装で平和は実現しないんですよね」
寧々
「誰だって戦いなんかしたくないですからね」
月季
「月季も現代を見て世界は変わったものだと実感しているでありますよ」
寧々
「歴史は先人の屍の上に立っている、ですね」
灰梅
「先人達が戦ってくれたから今の平和があるんです、研究者なんかはそれに貢献してるんですよ」
寧々
「この国の平和を見ているとそんな感じはしますよね」
月季
「戦闘人形の月季でも戦わない時代に生きていいのでありますよ」
寧々
「世界は凄いスピードで変わっていますからね」
灰梅
「私もそんな時代に生き返ったんですね」
寧々
「こうしてお茶を飲んで話せるのも平和だからこそですしね」
月季
「世界は変わっていく、これからもでありますな」
寧々
「何事もなかったかのような日常、難しいものですね」

その頃

ヴェイグ
「それにしてもアングリフの傷の数はそれだけの実績なのだろうな」
アングリフ
「そうだな、戦場を幾度となく生き抜いてきたからこそだ」
ヴェイグ
「不死身という二つ名がつくぐらいには強運でもあるという事だろうしな」
エレナ
「だからこそ私が雇ったのですよ」
ヴェイグ
「エレナは元金持ちというが、アングリフを雇う金はどこから出したんだ」
アングリフ
「トレジャーハンターの報酬から受け取ってるぜ」
ヴェイグ
「交渉が上手いと言っていたが、それだけ報酬をせしめているという事だな」
エレナ
「あら、正しい価値で買い取ってもらっているだけですよ」
ヴェイグ
「確かに世の中には吹っかける奴も安く買い叩こうとする奴もいるからな」
アングリフ
「そういう意味だとかなりの強心臓だぜ、この嬢ちゃんは」
ヴェイグ
「やはりトレジャーハンターをしているからこそという事でもあるのか」
エレナ
「昔はお金持ちだったので、物の価値については何かと学んでいるだけですよ」
ヴェイグ
「つまり金持ちだからこそ高額なものを多く見ているという事でもあるのか」
アングリフ
「目は相当に肥えてるのが付き合ってて分かるってもんだしな」
ヴェイグ
「宝なんかも価値があるものとないものの目利きなんかも出来るのか」
エレナ
「まあトレジャーハンターだと鑑定するまで価値が分からないものも多いですよ」
ヴェイグ
「なるほどな」
アングリフ
「とはいえ金になるものを確実に確保していく辺りは凄いと思うぜ」
ヴェイグ
「エレナは我儘という事もなく、元金持ちというのも鼻にかけないのだな」
エレナ
「自分から家を出た身ですから、そんなものがなんの役にも立たないのは知っていますよ」
ヴェイグ
「改めてその逞しさを感じるな」
アングリフ
「こんな逞しい嬢ちゃんはなかなか見れるもんじゃねぇしな」
ヴェイグ
「トレジャーハンターになるぐらいだからな」
エレナ
「ええ、なので自力で生きるというのを経験していますよ」
ヴェイグ
「やはりそういう世界で生きているというのは強いものだな」
アングリフ
「雇われてる俺が驚くぐらいだしな」
ヴェイグ
「アングリフも大概に強いと思うが、成熟している人間は違うな」
エレナ
「精神的に弱くては務まりませんもの」
ヴェイグ
「頼もしさが分かる気がするな」

その頃

パーフィル
「ふぅ」
エルナス
「それにしてもこのお茶は美味しいですね」
パーフィル
「働いてるのによろしいんですの」
リーゼラッテ
「休憩してるだけだよ」
パーフィル
「しかし今回の仕事はいろいろな事もありましたわね」
エルナス
「でもそういうものも慣れてしまうんでしょうか」
パーフィル
「クランは何かとありますものね」
リーゼラッテ
「パーフィルはいろいろ見てるんだね」
パーフィル
「ええ、まあ天使も悪魔もなんだかんだで仲良くしていますもの」
エルナス
「パーフィルはゲームとか好きな人ですよね」
パーフィル
「ええ、体力はあまりありませんわね」
リーゼラッテ
「運動は苦手な方か」
パーフィル
「お二人は姉妹か何かなんですの」
エルナス
「姉妹というか同じ名前を与えられただけですよ」
パーフィル
「ドールという事もありますし、建前上は姉妹みたいなものですの?」
リーゼラッテ
「うん、そんな感じだね」
パーフィル
「ドールで血が流れているという訳でもないですが、姉妹みたいなもの、なるほど」
エルナス
「ドールでもマスターがそう決めたのなら姉妹でいいと思いますよ」
パーフィル
「なるほど」
リーゼラッテ
「だから姉妹だよね」
パーフィル
「ドールにも様々ですわね」

その頃

莉玖
「ふぅ」
ルピナス
「莉玖さんは力はもうないみたいですぅ」
莉玖
「今度こそって感じだからな」
スカビオサ
「でもそれに迷いがなかったならそれでいいと思いますよ」
莉玖
「当然だろ」
ルピナス
「なんか頼もしくなったですぅ」
莉玖
「これでも長く生きてるからな」
スカビオサ
「歴史を見てきたという事ですか」
莉玖
「まあな、だから人の良心も悪意も見てる」
ルピナス
「だから人を信じる事も出来るですぅ」
莉玖
「そういう事だ」
スカビオサ
「でも莉玖さんは辛い事もあった筈ですよね」
莉玖
「まあな、何かとあったよ」
ルピナス
「それでも生きてるのは強いですぅ」
莉玖
「私は強くなんかないさ」
スカビオサ
「ですが今を見ていると弱いとも思えませんね」
莉玖
「私にも何かとあるのさ」
ルピナス
「でも今でも生きてるのは強い証ですぅ」
莉玖
「生きてるから、か」
スカビオサ
「世界は広いんですよね」
莉玖
「そうだな、それは思うよ」
ルピナス
「世の中は悪い事ばかりじゃないですぅ」
莉玖
「だから楽しい事を見つけていくさ、これからも」
スカビオサ
「ならそれでいいと思いますよ」
莉玖
「ああ、そうするさ」

その頃

イクコ
「ふぅ」
鴉丸
「思ったよりも騒ぎにはなってないのよね」
イクコ
「まあ襲われても殺されたりはしてないものね」
妖星
「ですね、それもあの人なりの生きた証の刻み方なんでしょう」
イクコ
「生きた証を刻む、それが討伐される前にやる事なんでしょうね」
鴉丸
「自分が討伐されるって分かってるからこそよね」
イクコ
「それも含めてあいつなりに必死に生きたのよね」
妖星
「生きるのも難しいですよね」
イクコ
「世の中には生きたくても生きられなかった人がたくさんいるのよね」
鴉丸
「だからこそ生きた証を残したいんでしょうね」
イクコ
「死ぬって分かってるからこそ思う所もあったんでしょうね」
妖星
「生きていたっていう証明が欲しかった、それは誰でも思うものですよね」
イクコ
「そういう事よね、変に泥臭く生きてて」
鴉丸
「そんな泥臭く生きたというのがらしいのかもしれないわね」
イクコ
「あいつなりに生きたっていう事よね」
妖星
「殺しこそしてなくても同情は出来ませんか」
イクコ
「だからこそコアはなんとかしてあげないとね」
鴉丸
「それがどうなるかも含めてね」
イクコ
「ええ、まあやってみるわよ」
妖星
「それでいいと思いますよ」
イクコ
「なんとかなるといいけど」


最終話に続く

コメント


管理者のみに表示

トラックバック