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意思を持つ武器 偽冥の双器

とある情報を得た為情報の場所へとやってきていた


リオン
「この辺りか?情報の場所は」

「みたいね、なんでも突然黒い霧が見えたらしいわ」
明日海
「黒い霧?」
ティナ
「何よそれ」
リオン
「知らん」

「私だって分からないわよ」
明日海
「黒い霧ねぇ」
ティナ
「なんなのかしら」
リオン
「ふむ」

「黒い霧ってなんなのかしら」
明日海
「うーん」
ティナ
「普通じゃなさそうだけど」
リオン
「それでどうする」

「調べてみる?」
明日海
「それがよさそうね」
ティナ
「決まりね、行くわよ」



リオン
「何もないな」

「あるのは砂ばかりね」
明日海
「海岸だものね」
ティナ
「嘘だって通報するのは親告罪よ」
リオン
「それでどうする」

「調査は続行でいいわよ」
明日海
「でも何を調べるの」
ティナ
「そこからよね」
リオン
「何かないのか」

「何かって何かしら」
明日海
「情報とか」
ティナ
「情報ねぇ」
リオン
「そんなのあるのか」

「あるなら嬉しいけど」
明日海
「あるものなのかな」
ティナ
「あるなら助かるけどね」
リオン
「それかヒントとかな」

「ヒントね」
明日海
「ヒントか」
ティナ
「ヒントねぇ」
リオン
「落ちてたりしないものか」

「落ちてたら助かるけど」
明日海
「落ちてるものなのかな」
ティナ
「落ちてるなら嬉しいわよね」
リオン
「ん?何か光っているな」

「転送の魔法陣ね」
明日海
「なんでそんなのが?」
ティナ
「さあ?」
リオン
「なら入ってみるか、先に行くぞ」

「あ、待ちなさい」
明日海
「どうする?」
ティナ
「迷っても仕方ないでしょ」
明日海
「だね、行くよ」
ティナ
「はいよ」



リオン
「ここは…」

「遺跡かしら、暗いわね」
明日海
「なんなのかな、ここ」
ティナ
「さあ?」
リオン
「何かあるのか」

「何かって何かしら」
明日海
「ん?マナを感じないね、ここは隔離された世界みたい」
ティナ
「本当だ、なんなのかしら」

ようこそ、偽冥を纏いし乙女よ

リオン
「声がするな、誰だ」

私の名は白刀・偽影
私の名は黒刀・真影
偽冥の力を秘める双剣です


「もしかして私かしら」

はい、あなたになら私達の偽冥の力は相応しい

明日海
「それって偽物の冥って事かな」

その力は全てを偽る冥府の力です

ティナ
「言うわね」

さて、では私は奥で待っています。力を求めるのなら来てください

リオン
「だそうだが」

「行くわよ、偽冥の力を受け取りに」
明日海
「決まりね」
ティナ
「行くわよ」



リオン
「忍はクランでも相変わらずのクールキャラのままなのか」

「クールね、まあキャラ作りには慣れてるだけよ」
明日海
「キャラ作りって、普段からって事?」

「私は全てを偽って生きてきたから、だからキャラ作りぐらい慣れたものよ」
ティナ
「何気に壮絶な人生なのかしら」

「壮絶ね、壮絶と言えば壮絶かもしれないわ」
リオン
「分からんな、無理に話せとは言わないが話さなければ何も伝わらんぞ」

「まあそれも過去の話よ、私は偽りながら生きてて全てを捧げて、それで決別しただけ」
明日海
「これは何かあるんだろうね」

「そうね、これでも貫通済みって言ったら驚く?」
ティナ
「貫通済みって、マジすか」

「言ったでしょう?私は全てを捧げて決別しただけって」
リオン
「それは身内か?それとも他人か?」

「そうね、身内だけど赤の他人、そんな関係よ」
明日海
「つまり偽りの家族とかそんな感じでいい?」

「そんな所だと思ってくれればいいわ」
ティナ
「偽りの家族ねぇ、忍ってどんな人生を送ってきたのよ」

「でも安心して、クランでの私はキャラ作りこそしているけれど経歴とかは偽ってないから」
リオン
「まあ履歴書とかもいらんしな、クランの場合は」

「履歴書は必要ないけどデータベース登録で名前とか生年月日は聞かれたわね」
明日海
「でもクランの場合あらゆる人や種族が集まるから、経歴不問は基本なんだろうね」

「ええ、経歴不問だし名前も偽名で登録出来るから助かっているわ」
ティナ
「でも流石に提出書類とかは本名だよね」

「クランでの活動は偽名でもいいけど、流石に身分証明は本名よ、それは偽っていないわ」
リオン
「行くか」

「そうね」
明日海
「行くよ」
ティナ
「ええ」



リオン
「行き止まりだな」

「目の前には大岩ね」
明日海
「壊せって事かな」
ティナ
「でもどうやって」
リオン
「そうだな」

「私には無理よ」
明日海
「ならあたしがやるよ、下がってて」
ティナ
「ええ」
明日海
「行くわよ」
明日海
「はあっ!!」
リオン
「見事だな」

「流石ね」
明日海
「これで進めるわね」
ティナ
「だね」
リオン
「行くか」

「ええ」
明日海
「行くよ」
ティナ
「ええ」



リオン
「あれか」

「みたいね、闇に囲まれた祭壇だから間違いないわ」
明日海
「美しいね」
ティナ
「機能美ね」

ようこそ、偽冥を纏いし乙女よ

リオン
「お前達が偽影と真影か」

はい、私達が偽冥の双剣の偽影と真影です


「そして指名は私ね」

はい、あなたになら私達の偽冥の力は相応しい

明日海
「偽冥なんて言うものよね」

その力は全てを偽る冥府の力です

ティナ
「言うわね」

さて、ではこちらに。私達に相応しい筈ですよ


「ええ」

さあ、手に取って


「はっ!!」
リオン
「凄いな」
明日海
「本物の力だね」
ティナ
「ええ、本物の闇の力よ」

「これが…自然と手に馴染むわね」

これからは力になります、よろしくお願いしますね


「ええ、よろしくね」

忘れないでくださいね、力とは時に運命さえも覆せると


「そうね、運命、私はそれを覆してみせた」

あなたは自分の道を見つけた、その道を大切にするのですよ


「言われるまでもないわ」

あなたが選んだ選択、それを大切にしてくださいね


「ええ」

さて、では戻りなさい。大切な場所へ


「ええ」

「お待たせ」
リオン
「忍には人には言いにくい事もあるのだろうな」
明日海
「でも悪い人ではないよね」
ティナ
「そうね、少なくとも悪い人ならとっくにやらかしてそうだし」

「そうね、まあ偽るのには慣れているだけよ」
リオン
「どこまでが嘘でどこからが本当なのかは聞かないでおく」
明日海
「リオンが意外な態度を」
ティナ
「大人になったねぇ」

「そうね、ふふ」
リオン
「では帰るぞ」
明日海
「あそこに転送の魔法陣があるよ」
ティナ
「んじゃ帰りましょ」

「ええ」

「力は時に運命さえも覆せる、ね。尤もだわ」

「それでも私はそれを呪った事なんかない」

「強くあるというのはそれだけ大変な事なのよね」

「だから私はそれを覆してみせた」

「偽りはいつしか真になる、それが私の信じた答え」

「運命なんかに負けてなんかあげないわよ」

「全てを捧げて、そして別の道を歩んで」

「私の好きな人、私は信じてる、だから、ね」

「さて、戻りましょうか」


こうして忍は偽冥の力を手にした
偽って生きてきた人生
それは決して楽なものでもなかった
辛酸を嘗めた事も決して珍しくない
だからこそ忍は強くなった
氷とように冷たく闇のように深いその心
その心はただ1人の為に捧げてきた
今でこそ別の道を歩んでいるが、その気持ちは今でも変わらない
大切な唯一人の偽りの家族
忍がそんな生活で得たものは、たった1つの大切な感情
自分は冷たい人間なのだろうとは自覚している
環境が生んだそれは慈愛に満ちた冷たい心
今の生活がその氷を少しずつ溶かしてくれると信じて
偽冥の乙女時谷忍は進む、真実の先にある未来へと
次の武器をご期待ください

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